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妊娠初期・中期・後期の区分 ― 週数でどう分けられ、何がめやすになるのか

妊娠期間を「初期・中期・後期」に分ける週数の区切りを整理。13週6日・27週6日で区切る日本の標準的な区分と、資料によって数字が食い違って見える理由(医学用語・一般表記・トリメスターの違い)を対応表にまとめました。

妊娠に関する情報を読んでいると、「妊娠初期」「妊娠中期」「妊娠後期」という言葉によく出会います。健診の間隔やエコーの方法が時期によって変わっていくように、妊娠期間は大きく3つの時期に分けて語られることが一般的です。

ところが、この区分は調べるほど数字がそろいません。「初期は13週まで」と書いてあるサイトもあれば「15週まで」と書いてあるサイトもあり、海外の記事では「12週まで」になっています。本記事では、日本で標準的に使われている区分をまず確定させ、そのうえでなぜ数字が資料によって違うのかを整理します。

日本の標準的な3区分

妊娠週数は最終月経の第1日目を「妊娠0週0日」として数えます。この週数をもとにした区分として、日本産科婦人科学会の『産科婦人科用語集・用語解説集』では、妊娠初期を13週6日まで、妊娠中期を14週0日〜27週6日、そして28週0日以降を後期(用語集では「末期」)としています。日本産婦人科医会の研修ノートでも「妊娠初期とは妊娠13週6日までを示す」「妊娠中期は妊娠14週0日〜27週6日までを示し」と、同じ区切りが使われています。

区分週数のめやす妊娠月数のめやす
妊娠初期〜妊娠13週6日〜妊娠4か月
妊娠中期妊娠14週0日〜27週6日妊娠5〜7か月
妊娠後期妊娠28週0日〜妊娠8か月〜

妊娠は「十月十日(とつきとおか)」と言われますが、これは4週間を1か月として数えたもので、妊娠期間はおおむね10か月(40週)にあたります。上の月数のめやすも、この4週=1か月の数え方に沿っています。

なぜ資料によって数字が違うのか

冒頭で触れた「数字がそろわない」問題の正体は、そもそも別々の区分が同じ言葉で訳されていることにあります。主なものを並べると次のようになります。

呼び方区切りどこで使われるか
初期/中期/末期13週6日/27週6日日本の医学用語(用語集の表記)
初期/中期/後期同上一般向けの表記。「末期」の語感を避けたもの
第1〜第3トリメスター12週/24週など英語圏の区分。3か月ずつ機械的に3等分する
初期を15週までとする表記15週6日/27週6日など妊娠月数(4週=1か月)の区切りに合わせた分け方

MSDマニュアル家庭版も、日本語版では「第2トリメスターは日本でいう妊娠中期に、第3トリメスターは妊娠後期にほぼ相当」と注釈を添えています。「ほぼ相当」であって同じではない、というのがポイントです。英語の資料を読んで「中期は13週から」と書かれていたら、それはトリメスターの区分だと考えれば説明がつきます。

そのため、「何週から中期」という線引きに厳密さを求めても意味がありません。大切なのは正確な線引きそのものよりも、妊娠が進むにつれて体や赤ちゃんの状態が段階的に変化していく、という大きな流れを押さえておくことです。

「安定期」という言葉について

妊娠中期は、俗に「安定期」と呼ばれることがあります。ただし、これは医学用語として厳密に定義された区分ではなく、一般的な呼び名として使われている言葉です。「安定期」という言葉があるからといって、その時期に何も気をつけなくてよいという意味ではありません。時期を問わず、気になる症状があるときは医療機関に相談することが大切です。

結局、どう覚えておけばよいか

日本の医療機関で言われる「初期・中期・後期」は、13週6日と27週6日という2本の線で区切られている、と覚えておけば実用上は足ります。細かい日付まで気にする必要はなく、健診で「もう中期ですね」と言われたら14週を過ぎたということです。

そして、ネットで見かける数字が自分の理解と合わないときは、たいてい相手がトリメスターか月数区切りの話をしています。区分そのものが間違っているわけではないので、どの数え方の話かを確かめれば混乱は解けます。

この記事が参照した資料

  • 公益社団法人 日本産婦人科医会「研修ノート ― (1)妊娠時期の特徴と正常妊娠・異常妊娠」(週数区分の記述)(解説ページ)
  • MSDマニュアル家庭版「妊娠中の体の変化」(トリメスターと日本の区分の対応について)(解説ページ)
  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会『産科婦人科用語集・用語解説集』(区分の名称と週数の定義)
  • 公益社団法人 日本産科婦人科学会「妊娠・分娩回数のかぞえかたについて」(妊娠週数の起点について)(解説ページ)

「呼び方」の対応表は、上記の各資料に記された区分を当サイトが並べて整理したものです。初期・中期・後期の境目は資料や医療機関によって幅があり、本記事は代表的な区分の考え方を紹介するものです。医療行為・診断を目的としたものではありません。各時期の体調や過ごし方については、必ずかかりつけの医師・助産師にご相談ください。

週数の話をもう一段さかのぼる

この記事の区分はすべて「妊娠週数」を前提にしています。その週数自体をどう数えるのか、そして週数から予定日がどう決まるのかは、次の2記事で扱っています。