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妊婦健診では何を調べる? ― 毎回の基本検査と、週数に応じて行う検査の一般的な内容
妊婦健診の検査項目には、厚生労働省の告示という根拠があります。毎回行う項目を定めた告示の原文を読んだうえで、時期ごとに加わる検査を一覧にし、実際の運用が基準どおりとは限らない理由まで整理しました。
妊婦健診では、毎回同じように受ける検査と、妊娠週数に応じて行われる検査があります。「今日はいつもより検査が多かった」「採血は毎回ではないみたい」と感じたことのある方もいるかもしれません。
この「毎回」と「時期ごと」の区別には、実は根拠になる文章があります。厚生労働省の告示に書かれた一文です。まずそこから読んでみます。
告示に書かれている「毎回の項目」
妊婦健診の内容は、平成27年3月31日厚生労働省告示第226号「妊婦に対する健康診査についての望ましい基準」に示されています。毎回の健診で行う検査について、告示はこう書いています。
子宮底長、腹囲、血圧、浮腫、尿(糖及び蛋白)、体重等の検査を行うもの
あわせて、「妊娠週数に応じた問診、診察等により、健康状態を把握」することも定められています。それぞれが何を見ているのかを整理すると、次のようになります。
- 問診・診察 ― 体調や気になる症状などを確認します。
- 子宮底長・腹囲 ― お腹の大きさの変化を確認します。
- 血圧 ― 血圧の変化を確認します。
- 浮腫(むくみ) ― 足のむくみの有無などを確認します。
- 尿検査 ― 尿中の糖・たんぱくを確認します。
- 体重 ― 体重の増え方を確認します。
いずれも短時間で繰り返し行える検査ばかりです。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病といった状態を早めに見つけるためにも役立つとされており、毎回続けて記録していくことで変化の傾向をつかみやすくなります。
時期に応じて加わる検査
告示は、上の毎回の項目に加えて、妊娠の時期に応じた検査を行うことも定めています。一般的に行われるものを時期順に並べると、おおむね次のようになります。
| 時期 | 加わることがある検査 |
|---|---|
| 妊娠初期 | 血液検査(血液型、貧血、感染症など)、子宮頸がん検診 |
| 妊娠中期 | 貧血の再検査、超音波検査による発育の確認 |
| 妊娠後期 | B群溶血性連鎖球菌(GBS)の検査、貧血の再検査など |
これらを「毎回」ではなく「時期に応じて」行うのは、それぞれの検査で確認したいことに適したタイミングがあるためです。たとえばGBSの検査が後期に行われるのは、出産時の状態を知ることが目的だからです。超音波検査で計測される BPD・HC・AC・FL・EFW といった数値の意味については、別記事で詳しく解説しています。
「基準どおり」とは限らない、という前提
ここまで告示の内容を見てきましたが、この告示が定めているのは「望ましい基準」であり、すべての健診がこのとおりに行われることを意味しません。実際の運用は医療機関によって幅があります。
たとえば、超音波検査で子宮内の様子を直接確認している場合に、腹囲の測定を省く施設もあります。逆に、経過に応じて基準にない検査が追加されることもあります。上の表の時期区分も、施設によって前後します。
そのため、「告示に書かれている項目が今日はなかった」ということ自体を気にする必要はありません。何のための検査かが気になったときは、その場で聞いてしまうのがいちばん確実です。
引用・参照した資料
本文中の枠内は告示からの引用です。時期別の表と各項目の説明は、告示の内容をもとに当サイトが一般的な運用にあわせて整理したもので、告示に掲載されている表ではありません。実際に行われる検査の種類・時期・回数は、医療機関の方針や妊婦さん・赤ちゃんの状態によって異なります。本記事は一般的な検査項目を紹介するもので、特定の検査を推奨・否定するものでも、医療行為・診断を目的とするものでもありません。検査についての疑問は受診先の医師・助産師にご相談ください。
検査の中身をさらに追う
この記事で触れた超音波検査については、方法の違いと、そこで計測される数値の意味を、それぞれ別の記事で扱っています。